福岡大学医学部精神医学教室 医学部 精神医学教室
福岡大学医学部精神医学教室の研究グループ紹介

研究グループ紹介

臨床に身近なテーマから、生物学的分野まで幅広く研究を行っています。

精神療法を重視した高い臨床力の修得に加え、研究・教育に積極的に携わることにも力を入れています。当教室は、研究室単位で組織されておらず、様々なテーマのもとに、有機的なグループ単位で活動しており、臨床的なテーマから生物学的な研究テーマまで幅広く、種々の精神医学の領域をカバーしています。

以下のグループ以外にもリエゾン・コンサルテーション、緩和ケア、小児・児童・思春期・青年期、多文化間精神医学、司法精神医学などについても取り組んでいます。

  • 精神薬理グループ

    精神薬理グループは精神薬理分野に関する、基礎研究と臨床研究を行っております。わが国の精神疾患で薬物療法は1つの根幹をなす治療法です。しかしながら、どの患者さんにどの薬があっているか(効果が最大限で、副作用がない)、各種薬物がどのようなメカニズムで効果があり、どのように効くかは十分わかっていません。それらの疑問に対して、基礎的な見地、臨床的な視点から研究を進めております。最終的には患者さんに還元できるデータ創出を目指しております。

  • 気分障害グループ

    現代のストレス社会において精神疾患患者数は年々増加しており、気分障害が占める割合が最も高いことが知られています。診断や治療の遅れは患者さんの予後不良に繋がる可能性があり、適切な早期診断・早期治療が望まれています。当教室では、双極症やうつ病などの気分障害の病態ならびに治療に関する臨床研究、トランスレーショナル研究を行い、適切な早期診断・早期治療に繋げ、患者さんのQOL向上を実現したいと考えています。

  • 自殺予防研究グループ

    自殺予防グループでは、救急医療機関(福岡大学病院救命救急センター、救急治療センター)に救急搬送された自殺企図者に関する調査・研究を続けています。あわせて、家族支援や医療以外の職種との連携を図り、自殺予防のための有効な方法の開発を目指した研究を行っています。また、自殺予防外来・自死遺族専門外来での診療や自殺予防教育を実施しており、地域の中での自殺対策を進めることを目的とした活動を積極的に行っています。

  • 老年精神医学グループ

    福岡市の認知症疾患医療センターの指定を受け、「もの忘れ外来専門センター」を神経内科と合同で運営しています。医師・看護師・臨床心理士・精神保健福祉士との症例検討会と、放射線科・神経内科との合同画像カンファレンス(MRI、SPECTなど)を週に1回ずつ行っています。認知症かうつ病などの機能性疾患かの鑑別や、認知症の鑑別診断や経過観察に関して、画像統計解析手法も用いて評価しています。日本老年精神医学会、日本認知症学会の専門医を取得する環境も整っています。

  • 精神療法グループ

    当医局には精神分析・力動精神医学の長い伝統があり、現在も精神分析家2名をはじめ、精神分析の臨床実践を行っている医師が複数所属しています。精神分析的精神療法だけでなく、日常臨床に活かす精神療法的素養を培うための教育体制を整えております。若手精神科医のための「精神分析的精神療法勉強会」や、より基本的な面接技法について学ぶ輪読会を定期的に開催しています。 ・症例確保のサポートをしています  症例の紹介、セラピー枠の確保の相談、セラピー適否の判断。 ・SV(スーパービジョン)の紹介を行なっています  上級医によるSV、外部のスーパーバイザーの紹介。 1例目のSVの確保が最大のコツです! ・教育分析の外部セラピストの紹介をしています ・セミナーの実施と紹介をしています

  • 性別不合グループ

    性別不合・性別違和(旧性同一性障害)の方を対象としたジェンダー・クリニックを行っております。診断・精神的サポート・実生活体験などの精神科領域の治療に加え、ガイドラインに則り、多職種による身体治療の判定会議も定期的に開催しています。

  • デイケア・集団精神療法グループ

    当院のデイケアは1974年に大学病院として全国で初めて発足して以降、先駆的な役割を果たしてきました。スポーツや農作業などの集団治療プログラムを軸として、集団の中で生じる人間関係に着目した研究・臨床・教育を行っています。また病棟では、集団精神療法(コミュニティ・ミーティング)を長年にわたり行っています。近年では日本デイケア学会を主催したほか、集団精神療法を実践する他施設と交流し、ますますの発展を目指しております。

  • スポーツ精神医学グループ

    スポーツ精神医学グループは、横山浩之、永井宏、田中謙太郎、畑中聡仁を中心に活動しています。2014年からは福岡スポーツ精神医学研究会を年二回開催し、福岡におけるスポーツ精神医学をリードしています。今後のグループの取り組みは、アスリート(摂食障害、神経症など)のメンタルヘルス、精神障がい者フットサル大会の全国への普及のサポート、うつ病の運動療法の多施設研究などです。スポーツが好きな方には必ず興味を持ってもらえると思いますので、我々と一緒に活動しましょう!!

  • 遺伝子神経科学研究グループ

    臨床で生じた疑問を基に分子遺伝学、分子生物学、行動薬理学的手法を主体とした生物学的基礎研究を行うグループです。モデル動物を対象に行動解析・脳内微小透析法による解析などを用いた病態機能研究、患者サンプルを用いた遺伝解析やバイオマーカー解析などを行っています。発表を行う主な学会は生物学的精神医学会、神経精神薬理学会、分子生物学会などが対象となります。